日本が外交に弱い理由とは?

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1)国際ビジネスの現実

私は以前、水産物の貿易を通じて世界30カ国近くを周り、16カ国の人たちとビジネスを行いました。
様々な人種と価値観の中で契約を結びビジネスを遂行してきました。
その経験から分かったことは、少なくとも短期的にはわがままなほうが得をするということです。

世界的にいえば、契約を守らないことが多い国は珍しくありません。

分かりやすい例でいえば、鮭の購入を長期で契約したが、その後相場が上がった場合。
供給者は、契約を守らないで他に販売した方が儲かる。
だから、契約を破棄して高く売れる他者に販売してしまうのだ。

私たちは、仕入れと同様に長期で国内の販売先と契約している場合が多い。
契約を破棄されると、私たちは販売先との契約を守れなくなる。

国際間の取引の場合、裁判を行うとなると国内の何十倍も大変だ。
その点、国内ははるかに簡単なので、販売先から容易に訴えられることになる。
だから例え高い値段であっても仕入れて、損してでも販売する必要性に迫られることがある。

これが輸入販売の非常に難しい部分だ。

上記の例で契約後に逆に相場が下がった場合、供給者は契約を守る
当然私たちも契約を守らなくてはならない。

他社から安い鮭が供給されて、相場が下がっても契約通りの高い値段で買わなくてはならない

この例で分かるように、契約を守らない方は状況がどう転んでもいいように対応できる
対して、契約を守る方は状況次第で理不尽な失敗をすることになる。

もちろんこれは短期的なことで、契約を守らない会社はその噂が広まり、契約されなくなると思われるかもしれない。
しかし、日本であればともかく外国の場合はそうとは言い切れない
その国のほとんどの会社が契約観念がない場合があり、ビジネスをやるのであれば、相手が契約観念がないことを前提として行わなくてはならない

それにも関わらず契約を守る前提でビジネスを行って痛い目に会う日本の会社が後を絶たない。これは国家的損失だろう。

ただし、背景を理解している会社としては、ただ手をこまねいているわけではない。

契約を破ろうとする相手に、

「もう今後取引できないぞ」と脅したり、
契約値段と希望値段の間で折り合ったり、

販売先を巻き込むなど様々な手立てを打ちます。

こうして相手の実情や性質に合わせて対応して、ビジネスとして成立させ、継続させていくのです。
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2)国際政治の現実は「わがままが通る」

その点、政治はもっとシビアです。

国際間の契約を破ったからといって、すぐに対応できることは限られています。
対応が後手後手に回るのは否めません。

国連は形骸化しているし、国際司法裁判所の判決ですらほとんど効力を発揮しないのは南シナ海問題ではっきりしました。

だから、「国際政治はわがままな方が勝つ!」のです。

つまりわがままが通るのです。

具体例の一部を挙げると、、

●中国で反日運動が盛り上がったとき、多くの日系企業の店舗や工場が破壊されました

●日本の領海内で中国の大船団によってサンゴが根こそぎ採られました

●日本にクレームがあるときは、根拠なくレアメタルの輸出を停止するなど様々な嫌がらせや制裁を行いました

●戦後竹島を奪って占領した韓国は実行支配したうえ、自国領として世界に宣伝しています

●日韓合意により日本が韓国に10億円支払ったにも関わらず、韓国は堂々と無効を主張するばかりか、もらった10億円を返そうともしません

●旧ソビエトは戦後のどさくさにまぎれて北方領土を侵略し、そのまま自国領としています

●戦争中であっても一般市民を標的にすることは国際法上認められていないにも関わらず、アメリカは大戦中、市民を標的に空襲や原爆投下を行いました

全部日本が被害者です。
日本が加害者のものがあるかといえば、挙げるのに苦労します。
私企業であればともかく日本政府として加害者になることはまずないでしょう。

そのようなことを国会で許さないし、国民レベルでも日本だけ良くて海外が迷惑を被ることを主張する人は少ないですから。

日本人は人がいいんですよ!国際的にみれば。

だから圧倒的に日本は外国の「わがまま」や「違反」の被害者なのです。

本来は外国が自国の利益だけを優先するわけですから、日本もそうしないと釣り合いが取れないのです。

日本などの先進国に「公平」という概念がありますが、ほとんどの発展途上国の外交ではその概念がありません。

自国に有利であれば「公平」。そうでなければ「不公平」というだけ

客観的事実はどうでも良く、仮にそれが自国に有利であれば使用するが、そうでない場合は否定するだけ。

そのような事実は、同質社会に住んでいる日本人には分からないし理解できないこと。

でもそれが国際社会の現実なのです。

私たちが手を焼く中国や韓国も手を焼いている国があります。

それが北朝鮮
なぜなら「わがまま度」で上を行っているからです。

北朝鮮に対して国際社会は何もできないばかりか、核やミサイルの急速な開発を許し、時には結果的に支援していました。

理想論や机上の空論では何も解決できなばかりか、状況は悪くなる一方であることが証明されています。

3)日本はどうするべきか?

国際政治が「わがままな方が勝つ」からといって、私たちは、それをただ許すわけにはいきません。

企業間の取引であれば一企業が損するだけで済みます。
しかし、国際間の問題は領土や国家予算、人々の税金、生活が絡むことなので、決して簡単に譲歩するべきことではありません
そもそも被害を受けないように予防する必要があります。

このような国際間の理不尽で厳しい現実をわきまえて外交をする必要があるということです。

また、ビジネスでも同じですが、こちらの要求は非常に高いところから始めるべきです。

あらゆる交渉ごとはそのように始めてお互いに譲歩して折り合うものです。

それをバカ正直に最初から「これ以上譲歩できない」ぎりぎりのレベルを提示すると、

結局最終的に譲歩せざるを得なくなるものです。

当然想定外の損になります。

甘い対応だとただ奪われるだけ。

厳しい態度で臨めば、相手も自重してくるでしょう。
そこには、ただの言葉の強さだけでなく、制裁されるなどの不利益を被ることをちらつかせる必要があります。

左翼は相手がわがままであるにも関わらず、すぐに

「大人の対応を」

「話合いを続けるべき」

などと言い、日本の譲歩ばかりを要求する。

その態度がわがままを許し、日本の国益を損なってきたことは歴史の真実であり教訓。
日本の外交が当たり前の毅然とした態度で臨むためには、世論の後押しが必要です。
河野外務大臣には国益を守るために最善を尽くして欲しい!!
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